TRAILFLY SPEED V2 レビュー:厚底にはない抜群の安定性と接地感

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TRAILFLY SPEED V2

重量

M28cm 300g(US M10)

スタックハイト・ドロップ

ヒール21mm / フォア17mm / ドロップ4mm

ラグ

4mm / G-GRIPラバー

おすすめの用途

デイリートレイナー、スピードワークアウト

主な特徴

POWERFLOW PROミッドソール、G-GRIPラバーのアウトソール、TPUを圧縮したBOOMERANG Footbed、META-FLEX(解剖学に基づいたアウトソールの切れ込み)

価格

メーカー希望小売:24,200円

inov-8のフットシェイプに足型が合えばフィット感は抜群で、シューズとの一体感をトレイルで味わえます。薄底で接地感と安定感が良く、不安定なサーフェスでも足の力がしっかりと地面に伝わります。

目次

TRAILFLY SPEED V2 がおすすめな人

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inov-8のフィット感が好きな方はもちろん、接地感や安定感が高く、自分の足で走る感覚を求めるランナーに合うシューズです。また、耐久性が高いグラフェンがアウトソールに使われており、長持ちするタフなシューズを探している方にもおすすめです。

TRAILFLY SPEED V2 の良い点と気になる点

TRAILFLY SPEED V2は、安定感と接地感に優れており、幅広い用途で活躍するシューズです。

良い点

  • ストレスの少ない足型
  • BOOMERANG Footbed(インソール)のクッション性
  • サーフェスを選ばない強力なグリップ

気になる点

  • 300g以上の重量感(メンズ28cmの場合)

サイズ感とフィット

サイズ感

ナイキやアシックスでは28cm、inov-8のX-TALONシリーズでは28.5cmのランニングシューズを普段着用している筆者が、本モデルでは28cm(ワイド)を選んだところ、ぴったりのサイズ感でした。

X-TALONシリーズはサイズが小さめに作られていましたが、TRAILFLY SPEED V2では普段のサイズを選んだ方がフィットする可能性が高いです。

ヒールカウンター

ミッドソールとヒールカウンターのつなぎ目にしっかりとした補強パーツが入っており、安定感を重視した作りです。

足首部分のアッパーは比較的浅めの作りで、足首がしっかりと露出します。動きやすさを感じる一方で、足型によってはホールド感に物足りなさを感じるかもしれません。

かなりしっかりとしたプルタブが採用されており、脱ぎ履きがしやすい反面、シューズ全体の重量を少し重くしています。

タン

全体的に薄いタンですが、中央部分にかけて2.5mmほどの密度の高いクッションが入っており、靴紐の締め付けストレスを感じさせません。
タン自体の横幅が一般的なシューズに比べると広く作られており、フィット感を高めてくれます。

ガゼットタン(アッパーとタンが一体化した構造)には伸縮性が高い素材が採用されています。フィット感に悪影響はありませんが、少し無駄な生地が多い印象を受けました。

アッパー

2層のウーブンアッパーが採用されています。極薄のレーシング用シューズには劣りますが、見た目以上に通気性は高いです。

シューズ全体は、柔軟性と耐摩耗性に優れたKPU(キネティックポリウレタン)で補強されています。 KPUのオーバーレイは場所により厚みが異なり、屈曲する部分は足の動きを阻害しない薄さで貼られています。

シューレース(靴紐)

若干の伸縮性があり、ランナーズノット結びをしても余裕が余る程度の、他メーカーと比較すると少し長めのシューレースが採用されています。

トゥボックス(つま先)

フットシェイプのトゥボックスにはKPUが厚めに貼られており、シューズの剛性を意識したかなり丈夫な作りです。

トゥボックスの左右には、それぞれ3つの排水用のスリットが設けられています。

雨が多くマッディなトレイルが多い、イギリスのブランドならではの実用的な仕様です。

クッション

TRAILFLY SPEED V2は、前モデルよりもクッショニングを向上させたPOWERFLOW PROミッドソールが全面に採用されています。

ミッドソールの柔らかさ


ミッドソールの特性を客観的にデータ化するため、硬度計(デュロメーター)を使用してフォームの硬さを測定しました。 

計測箇所硬度(平均値)
ミッドソール(全体)41.3 HA

※測定はシューズのミッドソール5箇所で行い、その平均値を算出しています。

決して柔らかく反発感の強いミッドソールではありません。どちらかと言えば少し硬さを感じるフォームなので、パワーウォークや低速での運動時の安定感と接地感は抜群に良いです。このミッドソールのフィーリングは、ランナーの好みが分かれる部分かもしれません。

体重約73kgの筆者がその場でジャンプをしても、POWERFLOW PROミッドソールはほとんど沈み込まず、フォームが大きく反発する感覚はありませんでした。

一方で、着地時の安定感は強く感じました。スピードやバランスのコントロールがシビアに求められるテクニカルなサーフェスでは、明確なメリットになるポイントです。

ヒール(踵)

ヒール部分のスタックハイトは約21mmで、せり出したPOWERFLOW PROに荷重をかけると適度に沈み込む感覚があります。

一方で、ヒールの中心部分で石を踏んだ際は、フォームが大きく変形することはありませんでした。スタックハイトが高い厚底シューズと比べると、石や木の根の凹凸をダイレクトに感じるかもしれません。

ミッドソール(中足分)

前足部のスタックハイトは約17mmです。ヒール部と同様に、フォームの沈み込みによる反発感はほとんど感じません。接地感と安定感に特化したフォームであることが分かります。

普段からクッション性に特化した厚底シューズを履き慣れている場合は、突き上げが気になる可能性があります。

ロッカー

TRAILFLY SPEED V2のドロップは4mmです。

つま先の反り上がりは約4.5cmで、ロッカー構造(ゆりかご形状)ではありません。

全体的にフラットに近い構造です。「シューズに走らされる感覚」を全く感じない、自力で走るシューズです。

安定性

左右の動きの安定性

TRAILFLY SPEED V2の特筆すべき点は、その安定感の高さです。
前足部のプラットフォームが広く、ランニング中も足の指が自然な位置にある感覚があります。安定感の向上はもちろん、地面に力をしっかりと伝えられる設計です。

かかとのグラつきも感じません。フォームの沈み込みやグラつきによるエネルギーロスをほとんど感じさせないのが、このシューズの大きな特徴です。

前後の動きの安定性

ラグは4mmとトレイルシューズとしては一般的な高さですが、一つ一つのラグ自体の幅が広めに作られているため、アスファルトのような硬い路面でも比較的スムーズに走れます。硬い路面でも、フォームの反発による過度な助力感は感じません。

ねじり剛性

TRAILFLY SPEED V2のねじり剛性は弱めで、手で自由にねじることができる柔軟性があり、ナチュラルな履き心地に寄与しています。

ミッドソールの硬さ

ミッドソールも比較的簡単に曲げることができる柔軟性があります。特に前足部には、解剖学に基づいたアウトソールの切れ込みである「META-FLEX」が採用されており、つま先部分の可動域がしっかりと確保されています。

ヒールカウンターの硬さ

ヒールカップに補強材は入っていますが、高さが低いため全体的に柔らかいヒールカウンターとなっており、足入れの感覚は良好です。

重量

TRAILFLY SPEED V2の重量(編集部実測値)は、メンズ28.0cm(US 10)で約300gです。

決して重すぎるシューズではありませんが、機能性を維持したまま、もう少し重量を落とせる余地はあると感じました。多くのランナーにとって、260g前後になればショートレースでの選択肢の一つになるかもしれません。

アウトソール・グリップ

アウトソール

TRAILFLY SPEED V2のアウトソールには、耐久性に定評があるグラフェン素材配合の「G-GRIPラバー」が採用されています。 ラグの幅が広めの作りのため、硬い路面でもストレスなく走れます。

ラグの幅が広めの作りのため、硬い路面でもストレスなく走れます。

ラグの深さ

ラグの深さは約4mmと、オールラウンドに安心して使える高さです。車のタイヤのように4mm、3mm、2mmの高さにスリップサイン(摩耗インジケーター)が付いているのが面白いポイントです。

濡れたサーフェスでのグリップ

G-GRIPラバーは粘り気が強く、濡れた岩でもしっかりとグリップします。メーカー公称で、前モデル比で濡れた路面での滑り抵抗が50%向上しているとのことです。

ラバー自体のグリップだけでなく、一つ一つのラグがしっかりとしているため、濡れた路面でも地面にしっかりと引っかかり、安心して体重を乗せられます。

登りと下リのグリップ

前足部のプラットフォームが広いため、ステップごとの力をしっかりと地面に伝えることができます。

薄めで硬めのミッドソールと強力なグリップが相まって、下りでスピードを上げた際も高い安心感があります。

はっきりとした接地感があり、自身の足でコントロールして「履いていて楽しい」、そんな印象を受けるシューズです。

インソール

インソールは取り外し可能で、厚さ約6mmのTPUを圧縮した「BOOMERANG Footbed(ブーメラン フットベッド)」が採用されています。もちっとしたコシのあるクッション性と、一歩ごとに40%のエネルギーリターンを生み出す反発感が特徴です。

内蔵のインソールとしてはかなり厚み(約6mm)があります。シューズ自体がこのBOOMERANG Footbedありきで設計されているため、他のインソールに変更するとフィット感やフィーリングが大きく損なわれる可能性が高く、インソールの交換は非推奨です。

TRAILFLY SPEED V2 のスペック一覧

メーカーINOV8(イノヴェイト)
商品名TRAILFLY SPEED V2(トレイルフライスピードv2)
価格メーカー希望小売:24,200円
SKUNR5FSZ23M
発売日2026年1月15日
重量M28cm 300g(US M10)
幅 /ラストワイド
ミッドソールPOWERFLOW PRO
ミッドソールの硬度41.3 HA
カーボンプレート無し
スッタックハイトヒール:21mm
フォア:17mm
ドロップ:4mm
ロッカーロッカー:無し
つま先の反り上がり:約45mm
アッパーウーブンアッパー、KPUオーバーレイ
アウトソールG-GRIPラバー
ラグ4mm
防水性無し
シューレース通常、吸水性有り
インソール可能、6mm BOOMERANG Footbed
サーフェス得意:オールラウンド
苦手:特に無し
タイプデイリートレイナー、スピードワークアウト
その他META-FLEX、つま先の排水スリット
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