Agravic Speed 2レビュー:アディゼロのDNAを受け継ぐトレイルシューズ

本コンテンツはcarb エディターチームが実際に着用し独自の基準に基づき制作しています。レビュー製品は全て自費で購入しており提供は受けていません。商品リンクにはアソシエイトリンクを使用しております。

Agravic Speed 2

重量

M28cm 254g(US M10)

スタックハイト・ドロップ

ヒール35mm / フォア27mm / ドロップ8mm

ラグ

中央3mm / 外側4mm / Continental™ラバーアウトソール

おすすめの用途

スピードトレーニング、レース、スカイレース

主な特徴

LIGHTSTRIKE、LIGHTSTRIKE PROの2層ミッドソール、Continental™ラバーアウトソール

価格

メーカー希望小売:22,000円

前作の少し大きめのサイズ感から、普段通りのサイズでフィットするように調整されました。軽量性、反発感、グリップ力のバランスが良く、ショートディスタンスのレースで積極的に選びたいシューズです。

目次

Agravic Speed 2 がおすすめな人

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ロード用のアディゼロシリーズが好きな方や、軽量で反発感の強いトレイルシューズを探している方におすすめです。

Agravic Speed 2 の良い点と気になる点

Agravic Speed 2は、トレイルシューズとしてトップクラスの完成度ですが、前作からのアップデートによって生じた「タンが下方向にずれる」という構造上の欠点が惜しいポイントです。

良い点

  • LIGHTSTRIKE PROのロードシューズのような反発力
  • 抜群の通気性と軽量性
  • ダイレクトな接地感と高いグリップ力

気になる点

  • 走行中にタンが下方向にずれることがある

サイズ感とフィット

サイズ感

ナイキやアシックスでは28cmのランニングシューズを普段着用している筆者が、本モデルでも28cmを選んだところ、ぴったりのサイズ感でした。前作の若干大きめだった作りが改善されたのは、非常に嬉しいポイントです。

サイズ感の違いを除けば、シューズの基本機能は大きく変わりません。価格が落ち着いている初代「アグラビックスピード」を選ぶのも賢い選択と言えます。

ヒールカウンター

全体的にミニマルな作りのヒールカウンターです。過剰なパーツがなくスッキリとしていますが、かかと部分までせり上がった(1cm弱)ミッドソールのLIGHTSTRIKEが実質的なヒールカップのような役割を果たしており、走行中にかかとがロックされる安心感があります。

前作の足首部分のアッパーはかなり浅めの作りでしたが、今作では一般的なトレイルシューズと同等程度の深さに変更されました。シューズ内側のアッパーのほうが若干高さがあります。

かかとから足首周りにかけて、グリップ感の強いスウェード調の素材が採用されています。シューズの構造と相まって、見た目以上にホールド感はしっかりしています。

タン

全体的に非常に薄い作りです。内側にはヒールカウンターと同様にグリップ感の強いスウェード調の素材が採用されています。タンの中央(上部から足の甲にかけて)には約5.8mmほどのクッションが入っており、靴紐の締め付けストレスを感じさせません。

シューズ外側のタンは、アッパーに直接縫い付けられています。

一方でシューズ内側は、前作と同様に伸縮性と通気性の高いメッシュで作られたガゼットタンが採用されています。外側は固定しつつ内側には余裕を持たせ、履きやすさを意識した作りです。

しかし、この構造が走行中にタンが下方向にずれるという弱点を生み出しています。完全に固定されていないタンの内側に、走行時の負荷がかかることが原因と考えられます。※ランナーの足型や走り方によっては発生しない可能性もあります。

アッパー

非常に通気性の高い合成テキスタイルアッパーが採用されています。ランニング中、足に風を感じるほど通気性に優れた素材です。

疎水性が高く、悪天候時やぬかるみでもアッパーが水分を含んで重くなるのを防いでくれます。

シューレース(靴紐)

レース用シューズに多く見られる、表面に凹凸の付いたシューレースが採用されています。この凹凸がシューレースホールや紐同士にしっかりと噛み合うため、激しく動いてもズレや解けを感じることはありませんでした。

トゥボックス(つま先)

トゥボックスに硬い芯材は入っておらず、アッパーの上に薄い補強材が貼られているのみです。

つま先のプロテクションは最低限ですが、足の指の動きを制限するような硬さがなく、ストレスの少ない履き心地です。

インソールの色が透けて見えるほど、アッパーの通気性は高いです。

クッション

Agravic Speed 2は前作同様、足側にLIGHTSTRIKE(安定性)、地面側にLIGHTSTRIKE PRO(反発性)という2層構造のミッドソールを採用しているのが特徴です。

硬めのLIGHTSTRIKEが、バケットシートのようにかかとから中足部を包み込む形状になっており、かかとのブレを防いで高いフィット感を生み出しています。

ヒール部の厚さが約35mm、フォアフット部が約27mmとなっており、ドロップは8mmです。 前作からスタックハイトが約5mm高くなり、トレイルでのクッション性が若干向上しました。

ミッドソールの柔らかさ


ミッドソールの特性を客観的にデータ化するため、硬度計(デュロメーター)を使用してフォームの硬さを測定しました。 

計測箇所硬度(平均値)
ミッドソール上層(LIGHTSTRIKE / 足裏側)45 HA
ミッドソール下層(LIGHTSTRIKE PRO / 地面側)23.5 HA

※測定はシューズのミッドソール5箇所で行い、その平均値を算出しています。

硬めのLIGHTSTRIKEと柔らかいLIGHTSTRIKE PROがミックスされたミッドソールですが、足当たりは柔らかく、走行中は主にLIGHTSTRIKE PROの反発と柔らかさを感じることができます。

体重約73kgの筆者がその場でジャンプをすると、LIGHTSTRIKE PROのフォームが適度に沈み込み、心地よい反発が返ってくる印象がありました。

ヒール(踵)

ヒール部分のスタックハイトは約35mmで、LIGHTSTRIKE PROのもっちりとした反発感を感じます。シューズの構造上、かかとの荷重がかかる部分のフォームはすべてLIGHTSTRIKE PROで構成されているため、ヒール接地時のフィーリングはロード用のアディゼロシリーズに近いものがあります。

フラットなサーフェスでは気になりませんでしたが、岩や木の根など安定感に欠けるサーフェスでかかとから着地をすると、LIGHTSTRIKE PRO特有の不安定さを感じるかもしれません。

ミッドソール(中足分)

前足部のスタックハイトは約27mmです。中足部の足幅に合わせた細めの作りですが、LIGHTSTRIKEの層が分厚い箇所でもあるため、安定したクッションをしっかりと感じることができます。

ロッカー

Agravic Speed 2のドロップは8mmです。

つま先の反り上がりは約6cmで、適度なロッカー構造をしています。(かかと部分の反り上がりは20°)

適度なロッカーを感じる作りですが、昨今の厚底トレイルシューズと比較するとスタックハイトは低めで、接地感の高いシューズです。

サーフェスの変化に瞬時に適応することが求められる、ハイペースでトレイルを駆け抜けるランナーに適した一足と言えるでしょう。

安定性

左右の動きの安定性

前足部のプラットフォームは広く、スタックも27mmと低めに設定されているため、速いペースで切り返してもコントロールできている安心感があります。

一方で、前作と同様にLIGHTSTRIKE PRO特有の横ブレやグラつきは感じます。

かかと周りは、無駄なフォームの出っ張りが少なくシューズ自体の取り回しは非常に良いですが、パワーウォークを多用する急登や、ゆっくりとしたペースで走る用途には向いていません。

前後の動きの安定性

前作のやや大きいサイジングから適正サイズに調整されたこともあり、フィット感は抜群です。ペースを上げても靴の中で足が動くことはありませんでした。

アスファルトのような硬い路面では、ロード用の「アディゼロ ジャパン 9」に近い感覚で走ることができます。

ねじり剛性

適度なねじり剛性が確保されています。硬度の高いLIGHTSTRIKEフォームが中足部を支え、シャンクのような役割を果たしています。

ミッドソールの硬さ

プレートは内蔵されていませんが、ミッドソールは手で簡単には曲がらない剛性を持っています。中足部に厚めに配置されたLIGHTSTRIKEが、シューズ全体の剛性と安定性を高めています。

一方で、母指球より前は比較的自由に屈曲し、動かしやすくなっています。

ヒールカウンターの硬さ

前作同様、トレイルシューズの中ではトップクラスにミニマルなヒールカウンターです。カッチリとした硬いヒールカップを好むランナーにとっては、ホールド感に少し物足りなさを感じるかもしれません。

重量

Agravic Speed 2の重量(編集部実測値)は、メンズ28.0cm(US 10)で約254gです。 前作の同サイズと比較すると約7g重量が増加していますが、スタックハイトが5mm高くなりクッション性が向上したことを踏まえれば、納得できるトレードオフと言えるでしょう。

アウトソール・グリップ

アウトソール

アウトソールには、耐久性と耐摩耗性に優れるContinental™(コンチネンタル)ラバーアウトソールが全面に採用されています。

中央のラグは3mmと低めに設定されており、ロードや林道など走れるサーフェスでもラグの凹凸による不自然さを感じませんでした。

かかと周りも前足部と同様に、場所によって高さに差があるラグが採用されています。非常に軽量なシューズでありながら、軽量化のための肉抜きを行わずラバーが全面に貼られている点は、シューズの耐久性を高める嬉しいポイントです。

ラグの深さ

中央は 3mmと低め、外側は4mmと高めに設定されており、切り返しや下りで確実なグリップが必要な際も安心です。

濡れたサーフェスでのグリップ

Continental™ラバーアウトソールは粘り気が強く、濡れた岩でもしっかりとグリップします。

前足部のスタックハイトが27mmと接地感の高いシューズなので、不安定な路面でもシューズに安心して体重を預けられる感覚があります。

より強いグリップが必要な場面では、母指球や小指球付近で接地することで、外側の4mmラグを効果的に活用できます。

登りと下リのグリップ

硬めのサーフェスではLIGHTSTRIKE PROの反発をしっかりと得られ、シューズの助力を感じながら気持ちよく登ることができます。

ヒールから中足部にかけての接地面が細い作りになっているため、シューズの出っ張りが岩や木の根に引っかかる感覚が少なく、自分の足幅の感覚のままダイレクトにコントロールできます。足さばきのしやすさはトップクラスです。

硬いサーフェスでは強い反発を感じるため、意図せずにスピードが出過ぎる可能性があります。やはり、足さばきに長けた中級者〜上級者におすすめのシューズと言えます。

インソール

約3mm程度の薄めのインソールが採用されています。ミッドソールにしっかりと接着されているため、基本的に取り外しはできません。

お手持ちのインソールに交換したい場合、ドライヤーなどで慎重に温めながら剥がせる可能性はありますが、メーカー非推奨の方法であり、シューズ本体を傷めるリスクも伴いますのでご注意ください。

Agravic Speed 2 のスペック一覧

メーカーadidas(アディダス)
商品名Agravic Speed 2(アグラヴィック スピード2)
価格メーカー希望小売:22,000円
SKUJS3536
発売日2026年2月17日
重量M28cm 254g(US M10)
幅 /ラストスタンダード
ミッドソールミッドソール上層(LIGHTSTRIKE / 足裏側)45 HA
ミッドソール下層(LIGHTSTRIKE PRO / 地面側)23.5 HA
ミッドソールの硬度41.3 HA
カーボンプレート無し
スッタックハイトヒール:35mm
フォア:27mm
ドロップ:8mm
ロッカーロッカー:有り
つま先の反り上がり:約60mm
アッパー合成テキスタイルアッパー
アウトソールContinental™ラバーアウトソール
ラグ中央3mm / 外側4mm
防水性無し
シューレースレーシングタイプ、吸水性無し
インソール取り外し不可
サーフェス得意:走れるトレイル、硬いサーフェス
苦手:柔らかく濡れたサーフェス
タイプスピードワークアウト・レース
その他無し
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