Fuji Lite 6 レビュー:大幅な軽量化でレースにも対応!万能シューズの実力

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Fuji Lite 6

重量

M28cm 260g(US M10)

スタックハイト・ドロップ

ヒール36mm / フォア32mm / ドロップ4mm

ラグ

4mm / アシックスグリップ

おすすめの用途

デイリートレイナー・テンポアップ・レース

主な特徴

FF BLAST PLUS のミッドソール、AsicsGripアウトソール、シューレースキーパー

価格

メーカー希望小売:15,400円

前作から大幅に軽量化し、イージーデイだけでなく、レースでも履きたくなるようなシューズに進化しました。安定感と反発感が両立した素晴らしい一足です。

目次

Fuji Lite 6 がおすすめな人

これまでFuji Liteシリーズを履いてきた方はもちろん、コストパフォーマンスの高いレース用トレイルシューズを探している方にもおすすめです。軽量ながら安定感も高いため、初めてのトレイルシューズとしても適しています。

軽量化とミッドソールのアップデートにより、レースやスピード練習でも十分に使える一足となりましたが、プレート入りシューズほどの強い反発感やミッドソールの剛性はありません。上級者の方にとっては、よりレースに特化したシューズが選択肢として合うかもしれません。

Fuji Lite 6 の良い点と気になる点

Fuji Lite 6は非常にバランスの取れたシューズです。前作で気になっていたシューレースキーパーの緩さや通気性が改善され、弱点が解消された印象です。

良い点

  • 大幅な軽量化
  • ミッドソールの優れた反発感
  • 信頼性の高いグリップ
  • 軽さと安定感の両立

気になる点

  • 前作より若干長さを感じるサイズ感

サイズ感とフィット

サイズ感

ナイキやアシックスの28cmのランニングシューズを普段着用している筆者が、本モデルも28cmを選んだところ、若干余裕を感じるサイズ感でした。前作より多少(数ミリ程度)、つま先方向にゆとりを感じるかもしれません。

とはいえ、大きすぎると感じるほどではありません。タイトなフィッティングが好みであれば、0.5cmサイズダウンを検討しても良いでしょう。可能であれば、店頭での試し履きをおすすめします。

これまでのFuji Liteシリーズ同様、上位モデルのFuji Speedシリーズとは異なり、中足部はややゆとりのある足型を採用しています。

ヒールカウンター

硬質でしっかりとしたヒールカウンターが採用されています。約20g軽量化したにもかかわらず、ヒール周りの作りは前作とほとんど変わらず、安定感や履き心地を重視した設計になっています。

ヒールカウンターの内側には、かかとをしっかりと覆うようにクッション材が配置されており、安心感と履き心地の良さに貢献しています。

タン

程よい長さのタンには、薄めのクッション材が入っています。タン自体に適度な厚みがあるため、クッション材の少なさは気になりません。シューレースをきつめに締めても、甲に違和感はありませんでした。

ガゼットタン(アッパーとタンが部分的に一体化した構造)を採用していますが、これまでのFuji Liteシリーズとは異なり、シューレースホールに直接縫い込まれる形式に変更されました。このため、シューレースを締めたときに、タンに少しシワができやすくなった印象です。

アッパー

エンジニアードメッシュが採用されています。通気性が特筆して良いとは言えませんが、前作と比べるとライトなフィーリングのアッパーに進化しました。生地の伸縮も最低限で、ランニング中に履き心地が変化して靴紐を締め直す必要はありませんでした。

シューレース(靴紐)

ナイロン素材のシューレースが採用されています。前作のパリッとした硬めの素材とは異なり、柔らかさを感じる素材に変更されています。

シューレースホールは、1本のコードが巡るように配置されたシンプルな仕様です。

シューレースキーパー(シューレースを収納するループ)も付属しています。前作で気になっていたキーパーの緩さは改善されました。無駄なゆとりがなくなったため、余った靴紐をしっかりと保持してくれます。

トゥボックス(つま先)

トゥボックスには、必要最低限の補強が施されています。形状を維持するためのソフトプレートが入っていた前作と比較すると、シンプルで軽量な仕様です。

コーティング自体に硬さはありませんが、木の枝や岩などからアッパーを保護し、引っかかりを防ぐ役割を果たします。

クッション

ミッドソールには、反発性に優れたFF BLAST PLUSが採用されています。これは上位モデルであるFuji Speedシリーズと同じクッショニング素材で、反発感と安定感のバランスが取れたクッション性を感じることができます。

ヒール(踵)

ヒール部分のスタックハイトは約36mmとなり、前作より約3mm厚くなりました。FF BLAST PLUSが採用されたこともあり、ミッドソールが沈み込んだ際の反発感は前作より強く感じられます。

ミッドソール(中足分)

ミッドソール部分のスタックハイトは約32mmとなり、こちらも前作より約3mm厚くなりました。これにより、より明確なエネルギーリターンを感じることができます。また、厚みが増したことで、石や木の根による突き上げも軽減されています。

ミッドソール全体に採用されたFF BLAST PLUSは、同じ素材を用いるFuji Speed 3と比べても、見た目や触り心地だけでなく、ライド感が非常に近い印象です。Fuji Speed 3が好きな方は、きっとこのシューズも気に入るでしょう。

ロッカー

Fuji Lite 6はこれまでのFuji Liteシリーズとは異なり、よりはっきりとした、やや強めのロッカー構造(つま先が反り上がった形状)が採用されたことで、より足運びがしやすい一足になりました。

つま先の反り上がりは約6.5cm(前作比+1cm)となり、ロッカー構造による推進力の恩恵を明確に感じられるようになりました。ただし、ロッカー構造が苦手な方にとっては、好みが分かれる変更点かもしれません。

安定性

左右の動きの安定性

Fuji Lite 6は軽量でありながら、非常に安定感のあるシューズです。左右に力が加わるような動きでも、靴の中で足がブレるようなことはありませんでした。

前作よりスタックハイトは3mmほど高くなっていますが、アッパーのフィット感やミッドソールの形状(側面の一部が壁のように足を支える構造)が改良されたことで、安定性は損なわれていません。

ミッドソールはソフトで反発感の高いFF BLAST PLUSに変更になりましたが、これまでのFuji Liteシリーズが持っていた、かかとのぐらつきが少ない安定感は健在です。

ねじり剛性

Fuji Lite 6は硬すぎず柔らかすぎない、中程度のねじり剛性を備えており、足の自然な動きを阻害しません。

ミッドソールの硬さ

これまでのFuji Liteシリーズと比べると、ミッドソールの厚みが増したことで、縦方向の剛性(折れづらさ)は多少増しましたが、足の自由な動きが制限されることはありません。バランスの取れた硬さと言えます。

ヒールカウンターの硬さ

しっかりとしたプラスチックパーツで補強された、剛性の高いヒールカウンターが採用されています。軽量化されスピードが出しやすい一足になりましたが、足入れ時の気持ちよさと安定感は維持されており、高く評価できるポイントです。

重量

Fuji Lite 6の重量(編集部実測値)は、メンズ28.0cm(US 10)で約260gです。前作と比較して約20g軽量化されました。これにより、上位モデルのFuji Speedシリーズと遜色のない重量感になりました。

軽量になったことで、デイリートレーナーとしてだけでなく、スピード練習やレースでも履ける、まさに万能の一足に進化したと言えるでしょう。

アウトソール・グリップ

アウトソール

アウトソールには、グリップ力に定評のあるAsicsGripが採用されています。Fuji Lite 6では、他メーカーのレーシングモデルでも見られるような、路面にしっかりと食い込むラギッドな形状のラグが採用されています。

ラバーはアウトソールのほぼ全面に配置されていますが、これまでのモデルと比較すると中足部のラグが明確に減らされています。意図的に中足部でグリップさせるような走り方をする方にとっては、残念な変更点かもしれません。

ラグの深さ

Fuji Lite 6のラグの深さは約4mmです。前作と変わらない深さですが、ラグの形状がより鋭角的になったことや数が減ったことで、走りやすさが向上したように感じます。

濡れたサーフェスでのグリップ

これまでのFuji Liteシリーズと同様に、AsicsGripは濡れた岩場でもしっかりとグリップします。

ただし、アウトソールの項目でも触れましたが、Fuji Lite 6は中足部のラグが意図的に取り除かれています。下りで中足部のラグを使おうとする場合は、物理的な突起がないため、滑りを感じる可能性があります。とはいえ、AsicsGrip自体の粘り気のあるグリップ性能は健在で、全体として不安を感じるほどではありません。

ラグの形状が鋭角的なものに変更されたことで、濡れた岩場でもラグが路面の凹凸に食い込むような感覚があり、しっかりとグリップしてくれる安心感があります。

登りと下リのグリップ

ミッドソールがFF BLAST PLUSに変更され、さらに3mm厚くなったことで、下りではしっかりとしたクッショニングを感じることができます。クッションが沈み込みすぎることはなく、FF BLAST PLUS特有のレスポンスの良さを感じられます。

一般的にミッドソールが分厚くなると足さばきに悪影響が出ることがありますが、Fuji Lite 6ではネガティブな印象はありませんでした。絶妙なバランスで調整されている印象です。

登りの場面でも、FF BLAST PLUSの心地よい反発を感じられます。Fuji Liteシリーズの安定感は維持しつつも、Fuji Lite 6は思わずスピードを出したくなるような楽しいシューズです。

インソール

インソールは取り外し可能です。厚さは約3mmで、もっちりとした適度な反発感のある素材で作られています。

ただし、インソールに通気孔はないため、発汗量の多い夏場などは、足裏に汗が溜まる感覚があるかもしれません。形状やインソール裏に記載がある型番を見るかぎり、前作と全く同じインソールが採用されているようです。

Fuji Lite 6 のスペック一覧

メーカーasics(アシックス)
商品名Fuji Lite 6(フジライト6)
価格メーカー希望小売:15,400円
SKU1011C086.300
発売日2025年7月22日
重量M28cm 260g(US M10)
幅 /ラストスタンダード
ミッドソールFF BLAST PLUS
カーボンプレート無し
スッタックハイトヒール:36mm
フォア:32mm
ドロップ:4mm
ロッカーロッカー:有り
つま先の反り上がり:約65mm
アッパーエンジニアードメッシュ
アウトソールAsicsGrip(アシックスグリップ)
ラグ5mm
防水性無し
シューレース通常、吸水性有り
インソール取り外し可能
サーフェス得意:オールラウンド
苦手:無し
タイプデイリートレイナー・テンポアップ・レース
その他シューレースキーパー付き
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