筋グリコーゲン (Muscle Glycogen)
筋グリコーゲンは、骨格筋の細胞内に貯蔵されているグリコーゲンのことです。体内に貯蔵されるグリコーゲンの総量のうち、約8割がこの筋グリコーゲンとして蓄えられています。
持久系アスリートが運動を行う際、特に中〜高強度の運動や長時間にわたる運動では、この筋グリコーゲンがその筋肉が収縮するための主要なエネルギー源として優先的に利用されます。
肝臓に貯蔵されるグリコーゲン(肝グリコーゲン)が、必要に応じて分解されてグルコースとなり、血中に放出されることで全身の血糖値を維持する役割を担うのに対し、筋グリコーゲンは基本的に貯蔵されている骨格筋細胞内でのみ利用され、他の臓器や全身の血糖値を維持するために使われることはありません。
筋グリコーゲンの貯蔵量が十分であるほど、運動を持続できる能力(持久力)が高まり、パフォーマンスの維持に繋がります。逆に、筋グリコーゲンが枯渇すると、筋疲労が蓄積し、運動強度の維持が困難になるなど、著しいパフォーマンスの低下を招きます。運動後の迅速な糖質補給は、この筋グリコーゲンの回復を効率的に行うために非常に重要です。