本コンテンツはcarb エディターチームが実際に着用し独自の基準に基づき制作しています。レビュー製品は全て自費で購入しており提供は受けていません。商品リンクにはアソシエイトリンクを使用しております。
アディゼロ タクミセン11
重量
M28cm 201g(US M10)
スタックハイト・ドロップ
ヒール33mm / フォア26mm / ドロップ7mm
ラグ
無し / LIGHTTRAXION(ライトトラクション)/ コンチネンタルラバー
おすすめの用途
レース、スピードワークアウト
主な特徴
LIGHTSTRIKE PRO ミッドソール、LIGHTTRAXIONアウトソール(母指球部にコンチネンタルラバー)、ENERGYRODS 2.0 グラスファイバー製5本指ロッド
価格
メーカー希望小売:24,200円
アディゼロ タクミセン11 がおすすめな人

ハーフマラソンまでのレース用シューズを探している方や、分厚すぎない「中厚底のスーパーシューズ」を求めている方におすすめです。
フルマラソンの目標タイム別用途
サブ3〜上級者ランナーの「レース用シューズ」として最適です。レースだけでなく、インターバルなどの高強度ワークアウトでも扱いやすく、フルマラソン特化の超厚底シューズと比べると用途が広いのが特徴です。
アディゼロ タクミセン11 の良い点と気になる点

アディゼロ タクミセン 11は、エリートから市民ランナーまで幅広く選ばれる完成度の高いシューズです。厚底カーボンシューズのグラつきやクセが苦手なランナーにとって、最適解になり得る一足です。
良い点
- LIGHTLOCK(ライトロック)アッパーの柔らかく包み込むようなフィット感
- LIGHTSTRIKE PROフォームとエナジーロッドが生み出す強力な反発力
- 程よいソール厚による、自分の足でコントロールできる接地感
気になる点
- 履き口の伸縮性がなく狭いため、甲高・幅広の足には合わない可能性が高い
サイズ感とフィット
サイズ感
ナイキ、アディダス、アシックスの28cmのランニングシューズを普段着用している筆者が、本モデルも28cmを選んだところ、期待通りのサイズ感でした。
ただし、タンがアッパーに縫い付けられたガゼット仕様で、履き口の広がりが制限されています。甲高・幅広のランナーは足入れ自体が困難な可能性があります。 アディゼロ タクミセン 11はスポーツ量販店でも取り扱いが多いモデルですので、購入を検討している方は店頭での試し履きを強くおすすめします。

ヒールカウンター

アディゼロシリーズでお馴染みの、折りたたみ型ヒールタブが採用されています。履き口が狭いタクミセン 11においては、着脱をサポートする非常にありがたい機能でした。

ヒールタブをめくり上げると「数字」と「戦」の文字がプリントされており、ランナーのモチベーションを高めてくれます。

ヒールカウンター内部にプラスチックの硬い補強材(ヒールカップ)は入っておらず、非常にミニマルな作りです。

しかし、履き口の内側にはグリップ感の強いスウェード調の素材が配置されており、走行中のかかとの抜けをしっかりと防止してくれます。
タン

タンの足裏側(甲に触れる部分)には、かかと周りと同じスウェード調の素材が採用されており、シューズ内で足がズレないよう配慮されています。また、薄いパッドがU字型に配置されており、靴紐を締めた際の圧迫感を適度に和らげてくれます。

タンはアッパーに直接縫い付けられたガゼットタン仕様です。
履き口周りはほとんど伸縮しないため、足型さえ合えば、靴紐をきつく結ばなくてもかなり高いフィット感を得られます。一方で、物理的に履き口の広がりが制限されているため、甲高のランナーは足入れすらできないリスクがあります。
アッパー

アディゼロ タクミセン 11のアッパーには、柔らかく足にフィットするLIGHTLOCK(ライトロック)が採用されています。
非常に柔らかくて足馴染みの良い生地ですが、前後左右への伸縮性はほとんどないため、ランニング中の激しい動きでも生地が伸びてゆるく感じることはありませんでした。
シューレース(靴紐)

これまでのアディゼロシリーズ同様、細めで伸縮性のないシューレースが採用されています。一番上の穴まで通すランナーズノット(2段ハトメ)結びをするには、長さが少し短く感じます。
トゥボックス(つま先)

つま先部分には、形状を維持するための薄いパーツが内側から貼られています。

アッパーからトゥボックスにかけての作りは、同シリーズの「アディゼロ ジャパン 9」とそっくりです。ジャパン 9のフィット感が好きなランナーであれば、タクミセン 11の履き心地もきっと気に入るはずです。
クッション

アディゼロ タクミセン 11のミッドソールには、軽量性と反発性に優れたLIGHTSTRIKE PRO(ライトストライク プロ)が全面に採用されています。

ヒール部分には「スタックハイト33mm」と表記されています。
ミッドソールの柔らかさ

ミッドソールの特性を客観的にデータ化するため、硬度計(デュロメーター)を使用してフォームの硬さを測定しました。
| 計測箇所 | 硬度(平均値) |
|---|---|
| ミッドソール(全体) | 32.2 HA |
※測定はシューズのミッドソール5箇所で行い、その平均値を算出しています。
フォームの硬度は、他のアディゼロシリーズとほとんど変わりません。シリーズを通して同じ配合のLIGHTSTRIKE PROが使われている可能性が高いです。
LIGHTSTRIKE PROは、低速で走ると左右への揺れや不安定さを感じやすい特性を持ったフォームです。普段のジョグや強度の低いワークアウトで使用する場合は、より安定感の高い「アディゼロ SL2」などを選ぶことをおすすめします。
体重約73kgの筆者がその場でジャンプをすると、LIGHTSTRIKE PROの反発と、内蔵された5本指グラスファイバーバー(エナジーロッド)のしなりにより、楽に高く跳ね上がる感覚がありました。
ランニング中も同様で、中足部付近でしっかりと荷重することで、強力な推進力をもらえる感覚があります。
ヒール(踵)
ヒール部分のスタックハイトは約33mmです。
かかとから着地すると、LIGHTSTRIKE PRO特有のもちもちとした反応の良い反発を感じます。
ミッドソール(中足分)
前足部のスタックハイトは約26mmです。
中足部は荷重をかけるとフォームがしっかりと沈み込みますが、前足部はエナジーロッドが地面に近い位置にある分、沈み込みが少なく、より硬めでダイレクトな反発を感じます。
フルマラソン用の厚底シューズのクッションに慣れたランナーからすると、少しクッションが物足りなく感じるかもしれません。
ロッカー

アディゼロ タクミセン 11のドロップ(つま先とかかとの高低差)は7mmです。ロッカー構造(ゆりかごのような形状)は中程度に意識された設計です。

つま先の反り上がりは約6.5cmです。
「シューズに転がされて走る」というよりは、「自身の足でしっかりと地面を蹴って進む」ことを想定した設計思想がうかがえます。
勝手に転がる感覚は強くありませんが、前足部で着地をした際に、前方向への傾斜角度が深くなるため、進行方向への強い推進力を引き出すことができます。
安定性
左右の動きの安定性
スタックハイトが33mmと昨今のスーパーシューズの中では控えめなため、コーナーなど横方向に力がかかる動きでも、自分の足でしっかりとコントロールできている感覚があります。
ただし、停止状態やウォーキングなどの低速域では、グラつきや不安定感を強く感じます。LIGHTSTRIKE PROは、ある程度のスピードを出し、強い荷重でフォームを一度潰すことで「反発」と「安定感」の両方を生み出すことを前提とした設計だと考えたほうが良いでしょう。
また、かかと外側のフォームの切れ込み(肉抜き)が深く、内側に比べて外側に荷重が乗りやすい設計になっています。これは、足が過度に内側に倒れ込むオーバープロネーションを抑制するための工夫と思われます。
前後の動きの安定性
進行方向(前後)への安定性はかなり高いです。履き口の狭さは履く人を選びますが、足型さえ合えば、シューズ内で足が前後にズレることのない極上のフィット感を得られます。
ねじり剛性
ねじり剛性は非常に高く、手で力を入れてもほとんどねじることができません。5本指タイプのエナジーロッドが採用されていますが、手でねじる程度の力では、一枚板のカーボンプレートとの硬さの違いは感じられませんでした。
ミッドソールの硬さ
ミッドソールも、手で強い力を加えても縦方向にほとんど曲げることができません。この高い剛性が、スピードを出した際の強力な反発力に直結しています。
ヒールカウンターの硬さ
プラスチックの芯材(ヒールカップ)は入っておらず、指で簡単に潰せるほど柔らかいヒールカウンターです。カッチリとした硬さはありませんが、内側のスウェード調素材とアッパー全体の構造により、肝心のフィット感とホールド感は抜群です。
重量

アディゼロ タクミセン 11の重量(編集部実測値)は、メンズ28.0cm(US 10)で約201gです。200gを大きく切るようなハイエンドの超軽量レーシングシューズと比較すると際立った数字ではありませんが、十分に軽量なシューズであることは間違いありません。
アウトソール・グリップ
アウトソール

アウトソールには、グリップ力と軽さが特徴のLIGHTTRAXION(ライトトラクション)ラバーをベースに、蹴り出しで最も負荷のかかる母指球周辺にのみ、タイヤメーカーの技術を活かした「コンチネンタルラバー」が採用されています。

アウトソールラバーの厚みは約1mmとかなり薄く、接地時のフォームの柔らかさをダイレクトに感じることができます。一方で、ラバーが薄い分、アウトソールの摩耗耐久性は少し気になるところです。
ラグの深さ

ラグ(溝)の深さは最大で約1mm程度です。小指球付近はアウトソールラバー自体が貼られておらず、ミッドソールが露出しているため、他の部分よりも早くフォームが削れる可能性があります。この点はシューズの寿命に影響するポイントです。
濡れたサーフェスでのグリップ
一般的な乾いたアスファルトの上で、力強く滑らすようなテストをしましたが、乾いた状態であればほとんど滑りませんでした。
次に、雨天時の路面を想定して水を撒き、同様のテストを行いました。結果として、接地箇所によっては若干滑る感覚がありました。決してグリップが強力なシューズではないため、水はけの悪いトラックや、雨上がりの濡れた路面でのランニングでは少し注意が必要かもしれません。
登りと下リのグリップ
インソール

インソールはミッドソールに接着されており、基本的に取り外しはできません。 厚さは約1.5mmと非常に薄い素材が採用されています。
ドライヤーなどで温めれば剥がせそうな弱めの接着ではありますが、縫い付けられたガゼットタンを含め、元々が非常にタイトな作りのシューズです。
そのため、インソールに入れ替えると、シューズ内の空間が狭くなり、フィット感が大きく損なわれる可能性が高いです。インソールの交換は非推奨です。
アディゼロ タクミセン11 のスペック一覧
| メーカー | adidas(アディダス) |
| 商品名 | Adizero Takumi Sen 11(アディゼロ タクミセン 11) |
| 価格 | メーカー希望小売:24,200円 |
| SKU | JH8659 |
| 発売日 | 2025年7月2日 |
| 重量 | M28cm 201g(US M10) |
| 幅 /ラスト | スタンダード |
| ミッドソール | LIGHTSTRIKE PRO |
| ミッドソールの硬度 | 32.2 HA |
| カーボンプレート | 有り (フルレングス)ENERGYRODS 2.0 |
| スッタックハイト | ヒール:33mm フォア:26mm ドロップ:7mm |
| ロッカー | ロッカー:有り つま先の反り上がり:約65mm |
| アッパー | LIGHTLOCK(ライトロック) |
| アウトソール | LIGHTTRAXION(ライトトラクション)、コンチネンタルラバー |
| ラグ | 無し |
| 防水性 | 無し |
| シューレース | 通常 |
| インソール | 取り外し不可 |
| サーフェス | / |
| タイプ | レース、スピードワークアウト |
| その他 | 高推進力グラスファイバー製5本指ロッド「ENERGYRODS 2.0」を搭載 |

中厚底のレーシングシューズ。程よいスタックハイトで、重要なポイント練習からレースまで使いやすい一足です。フィット感も非常に高く、グイグイと前に進んでいく心地よい反発を感じられます。